養蜂業について〜仕事風景〜
ミツバチとの旅
「山笑う」て言われる早春、木々が芽吹き花が咲き始める頃、蜂箱をそっと開けて巣を持ち上げると、生まれたばかりのミツバチ達が、びっしり揃っています。
厳しい寒い冬を乗り越えて春が無事迎えられた喜びを養蜂家が感じられる瞬間です。この時が、私は一年中で落ち着くとても好きな時間です。そして、これから春に向けて成長していく若い蜂や、仕事の事を考えるとワクワク感さえ感じます。ミツバチ達には、寒い冬を乗り越えてくれた労いと、旅が一年中続き苦労をかけることへの思いを込めて、心の中で「ありがとう。今年もよろしく」と一箱一箱声を掛けながら、丁寧に仕事を進めます。
養蜂家の仕事は、とても重労働で家族とも離れ離れの生活もあり、春から秋は休みもなく大変な仕事です。
しかし、自然に囲まれ、ミツバチと一緒に花が咲くいろいろな土地を訪れ、そこで出会ったお客様によろこんでいただいたり繋がりができたりと、ある意味とても幸せな事だとも思っています。そして、何より多くのお客様からの喜びの声をお聞きすると、本当に嬉しく、感謝すると共に、続く限り今までと変わらないスタイルでミツバチと共に旅をしていきたいと思います。
種田養蜂場 種田敏徳